――K.Cさん、どうぞよろしくお願いします!早速ですがK.Cさんはどれくらいポケモンカードゲームのジャッジをされているのですか。
もう16年になります。最初はイベントオーガナイザーとしてこの制度に関わり、その後ジャッジもやり始めました。今はオーガナイザーやジャッジになるためには資格が必要ですが、当時はもっとカジュアルなものでした。
――当時もしくは現在、他のトレーディングカードのジャッジ等もされているのですか?
いいえ。ずっとポケモンカードゲームのジャッジだけですよ。
――どうして「ポケモンカードゲームのジャッジ」だったのですか?
私の子ども達が遊んでいたからです。私には子供が3人いて、子供と一緒に遊ぶお父さんプレイヤーの1人でした。ですが子ども達はイベントでもらえる、(より大きなイベントに出場するための)ポイントを欲しがっていて、しかし身近にそういうイベントがなかったんです。だから私と私の友人達でオーガナイザーになってイベントを開けば、この地域の子供達にその機会を与えられると思ったんです。
当時ウェブサイトにオーガナイザーやジャッジの人達が、イベントの開催方法やルールを掲載していて、読んでみたら自分でもやれそうだって思ったんですよ。そうやってイベントを開催するうちにルールを知ることが一層楽しくなりジャッジになりました。
――ジャッジをしていて、心にグッときたエピソードがあれば教えてください。
素敵なエピソードは沢山ありますよ!あえて1つ例をあげると、ジュニアプレイヤーで、対戦に負けた子が勝った相手に握手を求め「おめでとう!」と声をかけて席を離れた後、少し離れた場所で泣いたり落胆している姿を見ると言葉になりません。素晴らしいスポーツマンシップだと思います。
――思わず目頭が熱くなりますね。では逆にジャッジをしていて心が辛くなることはありますか。
失格の裁定を出す時です。対戦は公平であるべきなので仕方がないのですが、やはり辛いですね。
――ジャッジにとって大切なことはなんでしょう。
一言で表現するならアクティブであることです。新しい商品が出る度に我々もカードを学ばなければいけませんし、変更になったルールがあればジャッジ仲間と共有・理解する必要があります。大会毎に参加するプレイヤーも違うので、いろいろな出来事が起こります。しかし我々は進行を遅らせてはいけません。進行把握と、時にはプレイヤーを促すことが必要です。これらのやり取りの中で、プレイヤーから学ぶことも非常に多いですね。
またジャッジ同士が大会で下した裁定や、ユーザやジャッジ同士で感じたロジックの疑問を集め、The Pokémon Company International に問い合わせる時もありますよ。そして回答がきたら、ジャッジコミュニティやSNS等のユーザネットワークを通じ、彼らに還元するんです。
ジャッジコミュニティ、プレイヤー、メーカーの3方向に対し、常にアクティブであることがとても重要だと思います。
――では最後に、日本でも大会ジャッジ制度の整備が進んでいます。アメリカ・欧州の制度とは違う個別の制度ですが、日本でジャッジを目指す方達に一言お願いします。
制度は違ったとしても本質的なところは変わらないと思いますが、ジャッジになりたい人、あるいはなるべき人が場を共有し共に高め合っていけることは素晴らしいと思います。ジャッジの楽しみをきっとお互いで見つけあっていけるでしょう。日本のポケモンカードのことを聞けてとてもワクワクしました。いつか皆さんとお会いできるといいですね。楽しみにしています。
K.Cさん、どうもありがとうございました!
更新:2017年8月20日(日)