ポケカを始めたきっかけを教えてください。
大学時代に所属していたポケモンサークルの先輩に誘われていっしょに遊んだことがきっかけです。もともとはポケモンのゲームが好きで、いっしょに対戦したり考察したりする仲間が欲しくて加入したのですが、その後はポケカをやる時間が増えました。とくに「よるのこうしん」のデッキを先輩に教えてもらってからは、その魅力にドハマりしましたね。
ゲームはいつからやっていたのですか？
幼稚園のころに、3つ上の姉が『ポケットモンスター クリスタルバージョン』を遊んでいて、それをいっしょにやらせてもらったのが最初でした。めちゃくちゃ楽しくて、僕の誕生日に姉にねだりまくって譲ってもらったほどです（笑）。殿堂入りしては最初から遊ぶのを何度もくり返していました。
メインの動きを安定させることで
相手の動きに対応する余裕が生まれる
得意な戦いかたを教えてください。
相手に合わせていろいろな技を使い分けるような、複数タイプのエネルギーを入れたデッキが好きなのですが……だからといって得意というわけではないんですよね（笑）。どちらかというと、攻撃手段はある程度絞っておいて、ほかのカードで相手に対応する方が得意です。
汎用性の高い強力なメインプランがあって、臨機応変な対応はグッズやサポート、サブのポケモンなどに任せる感じでしょうか。
はい。なので、「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2021」で使ったこくばバドレックスVMAXのデッキもそうでしたが、大量にドローができて、メインの動きの再現性が高いデッキを好んで使います。自分の番にやりたいことができなくて負けてしまうのが一番嫌ですし、メインの動きが安定するからこそ、その先の対応にリソースを回せるようになるので。
堅実なデッキ故のド派手なプレイングに注目
お話を聞いていると、かなり堅実なプレイを意識されている印象を受けます。
ある意味ではそうかもしれないです。でも、僕はむしろ上振れを狙った派手なプレイングが自分の持ち味ではないかと考えています。たしかに根底にあるのは安定志向の堅実なプレイなのですが、毎ターン安定した動きを確保できるからこそ、さらにそこから大量のドローソースを駆使して上振れを狙いに行くことができるんです。
安定した土台が築かれているからこそ、つぎの1歩を思い切り踏み切れるんですね。安定志向だからできる派手なプレイング、今後も期待しています！
ピンポイント対策は最小限に抑え、
デッキの軸となる動きを最大限高める
デッキ作りで大事にしていることを教えてください。
先ほどの話とも被りますが、デッキのコンセプトとなる動きの再現性を高めることです。ピンポイントの対策カードを多く採用しすぎると、その対象ではない相手に対して窮屈な動きを強いられるので、あえて考えすぎないようにしています。じつは「チャンピオンズリーグ2022 京都」では、その意識が疎かになったデッキを持ち込んでしまって、うまく回らずに負けてしまったので、改めて意識をしなおしました。
デッキを作るときは、最初にどのカードから決めますか？
メインとなるポケモンを決めてから、形を作っていきます。そしてそのポケモンを安定して行動させるために必要なサポートやグッズ、サポート役のポケモンなどを固めていきます。
初の予選突破でそのまま初優勝！
勝負の内容よりも、配信に緊張
これまででいちばん思い出に残っている大会は何ですか？
もちろん、「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2021」です！ 初めて決勝トーナメントに残れた大会で、初めて優勝できた大会ですから、とにかく嬉しかったです。大会当日は勝ち進んでいることが純粋に楽しかったですね。途中で負けたときは、ほかの人はまだポケカやっているのに自分はもうできないのか……という気持ちになるので。
大会中にいちばん長くポケカをやっていたのがカゴイケ選手ですもんね。予選と決勝トーナメントで何か違いは感じましたか？
雰囲気がより引き締まっているのは感じましたが、対戦自体は決勝戦でもリラックスしてできました。ただ、配信卓での対戦はプレイエラーをしないように、かなり気を使いました。ふだん配信を見ていて気になってしまうこともたまにあって、自分はそうならないように意識していたので、そっちの方がプレッシャーでしたね（苦笑）。
本名はダイスケ・ウィリアム・カゴイケ!?
ポケカ日本一になったわけですが、つぎの目標はありますか？
優勝したといっても、現状は1発屋でしかないと思っています。ここからどんどん結果を残して自身の実績に箔をつけたいです。まずは、チャンピオンズリーグの盾が欲しいですね。盾をたくさん持っている友人がいて、すごく羨ましいんですよ（笑）。
日本一が1発屋とは、すごい表現ですね……（笑）。世界大会への意気込みはどうですか？
世界大会に出場することは夢だったので、すごく嬉しいです。ただ、次回はロンドンでの開催なので、いつかアメリカで開催される世界大会に出たいですね。じつは僕、アメリカのジョージア州・アトランタの生まれなんです。ダイスケ・ウィリアム・カゴイケが正式な本名で、プレイヤーズクラブのアカウント名がウィリアムなのは、ミドルネームから取っているんです。
「よるのこうしん」のバチュル
ファーストインパクトが忘れられない
好きなカードを教えてください。
最初にハマったのもあって、「よるのこうしん」デッキのポケモンたちはいまでも大好きですね。とくにそのころ僕がギャラドスのデッキを使っていたので、その弱点を突いてくるバチュルが印象に残っています。
「よるのこうしん」が好きということであれば、「マッドパーティ」のデッキも組みましたか？
「マッドパーティ」が出たときは、「よるのこうしん」を思い出して嬉しくなりました。もちろんデッキを組んで大会でも使いましたが、残念ながら結果はふるいませんでした。
ほかに好きなカードはありますか？
ホウオウEXも長いあいだ使いつづけたお気に入りのカードです。メガライボルトと組み合わせたデッキをよく使っていました。いまでも、ホウオウEXのようにいろいろな種類のエネルギーを使うカードやデッキは好きですね。
よく行くエリアは秋葉原周辺
カードショップ店員としての一面も
よく行くジムはどこですか？
最近は行けていませんが、以前はホビーステーション秋葉原3rd店やチェルモ秋葉原店、トレカの洞窟 Card World TOWER AKIBAなど秋葉原のカードショップによく行っていました。
カゴイケ選手はカードショップの店員さんとして働かれているんですよね。
はい。福福トレカ秋葉原店で店員をしています。ポケカが大好きすぎるあまり、カードショップに就職してしまいました。大会優勝後は、店舗で扱うデッキの構築などを任せてもらえるようになり、いただいた優勝記念の盾も店内に飾らせていただいています。あと、あだ名がチャンピオンになりました（笑）。
チャンピオンのいるカードショップなんてそうありませんから、お店にも拍がつきましたね！
ショップ店員のアンテナで流行をキャッチ！
職業柄、他のプレイヤーとは違った目線からもカードを見ていそうですね。
新弾が発売される際に、自分が使うかどうかではなく、人気が出るかどうかを気にしてしまうことは多いです。たとえば、「ミュウVMAXが出るから霧の水晶は人気が出るな」みたいな（笑）。
カードの流行には人一倍敏感になりそうです。
実際、大会前に人気が伸びてきたカードとかもわかるので、デッキ構築にも影響します。「チャンピオンズリーグ2022 京都」では、直前にうねりの扇の人気が高まっていたので、使用者が増えるだろうと予想して基本エネルギーを1枚増やしました。
