ポケカを始めたきっかけを教えてください。
お姉ちゃんの友だちがポケカを集めていたみたいなんですけど、いらなくなったということでもらったのがきっかけです。クリスマスにサンタさんから30枚デッキ対戦セット「サトシVSロケット団」をプレゼントしてもらって、最初はお父さんとふたりで遊んでいました。
そこから本格的にポケカにハマっていった理由は何でしたか?
初めて参加したトレーナーズリーグで対戦した女の子が、たぶん年下だったんですけどすごく強くてボコボコにやられてしまったんです。そのころはジムバトルにも行くようになって、同い年の子が相手ならけっこう勝てるようになっていたので、年下の子に負けたのがすごく悔しくて、もうポケカはやりたくないって思いました。
その悔しさをどうやって乗り越えたのでしょうか。
お父さんとショップの店長さんがふたりで「そうやって負けて悔しい想いをして、どんどん強くなっていくんだよ」と説得してくれたんです。それでもすぐには気持ちを切り替えられなかったけど、だんだんもっと強くなりたいという思いが強くなって、練習しようと思えるようになりました。デッキもいちからいろいろ考えなおして、対戦もいっぱいしました。そうして頑張ったおかげで、初めて参加したCL2019 京都ではベスト16になることができて、すごく嬉しかったです。
たくさん山札を引く動きがシンプルに楽しい
幅広い選択肢から最善手を見極める思考力も
得意な戦いかたを教えてください。
山札を大量に引いて手札を増やしながら相手のポケモンを倒していく戦いかたが、好きですね。単純にたくさんカードを引けるのが楽しいですし、増えた手札の中からその場その場で最適な行動を考えることが得意だと思っています。
まさに優勝した際にも使われていたミュウVMAXデッキのような戦いかたですね。
はい。ゲノセクトVの特性「フュージョンシステム」でどんどんデッキを回すスピード感が気に入っています。過去にはワザ「ひのたまサーカス」のズガドーンをメインにしたデッキやピカチュウ&ゼクロムGXのデッキなども好んで使っていたので、そういう戦いかたが染みついているのかもしれません。
瞬間最高速度を高めるのではなく
一定のスピードを出し続けることが重要
デッキ作りで大事にしていることを教えてください。
山札からたくさんカードを引く、展開のスピード感を大事にしています。とはいえ、ただたくさん引くことだけを考えるのではなくて、たくさん引くからこそリソース切れを起こさないような構築になるように意識しています。博士の研究などで手札をトラッシュすることも多いのでエネルギーを多めに入れておいたり、トラッシュから回収する手段を用意しておいたり。
デッキタイプの選択はスピード感を重視するけど、その内容としては安定感を重視するといった感じでしょうか。
そうですね。序盤に飛ばしすぎて終盤息切れにならないように、最後まで気持ちよくスピードを出し続けるための安定性を保ったデッキを作るようにしています。
苦しい試合をうまく切り抜けて興奮
思わず「俺めっちゃ上手い!」とLINEで報告
これまででいちばん印象に残っている大会は何ですか?
やっぱり、初めて優勝できたCL2022 愛知です。
中でもとくに想い出深い対戦ってありますか?
1敗している状態でジュラルドンVMAXのデッキに当たって負けそうになったのですが、ギリギリのところでミュウVのワザ「サイコジャンプ」をうまく使って勝てたので嬉しかったですね。テンションが上がって、思わずお父さんにLINEしてしまいました。
ちなみにどんな内容のメッセージが送られてきたのでしょうか。
(お父さん)「俺めっちゃうまい」、「俺天才」って来ていましたね(笑)。
大胆なプレイングに思わず目を奪われる
お父さんがナユタ選手のプレイを見ていて、おもしろいと感じるのはどんなところですか?
(お父さん)これは僕の実力が足りていないからかもしれないんですけど、僕からすると「そんな動きして大丈夫か!?」と心配になるようなプレイがけっこうあるんですよ。CL2022 愛知の決勝でもミュウVが場に1匹しか出ていない場面があって、見ていてすごくハラハラしていました。そういった大胆不敵な手を打ちがちなんですけど、本人の中ではちゃんと考えがあってのことで冷静にプレイしていますし、結果的にはそれが正しかったなと納得することも多いです。応援する側としてはドキドキさせられっぱなしなんですが、それ故に目が離せないというか、注目したくなるプレイヤーなのかなと思います。
その時々で愛用していたデッキの
メインとなるカードに愛着が湧く
好きなカードを教えてください。
ミュウVMAXとピカチュウ&ゼクロムGXです。
それぞれ理由を教えてください。
ミュウVMAXは、情報が発表されてすぐにデッキを組んで、そこからずっと使い続けています。CL2022 愛知で優勝したときも使っていたカードですし、とても愛着があります。ピカチュウ&ゼクロムGXは、シティリーグやショップの大会などで何度か優勝した想い出のカードです。けっこうひとつのデッキを使い続けるタイプなので、そのデッキのメインとなるカードに愛着を持つことが多いのかなと思います。
将来は株式会社ポケモンの社員に!?
将来の夢は何ですか?
株式会社ポケモンに入ることです!
おおー、素晴らしい! ポケモンに入ってどんなことがしたいですか?
自分の好きなポケモンカードを作ってみたいです。
(お父さん)これはずっと言っていますね。
もしかすると、カード自体を作るということであれば株式会社クリーチャーズの方が合っているのかもしれませんが、いずれにせよ将来が楽しみですね!
ほぼ毎週末通っている2種類の店舗
公認自主イベントにも積極的に参加
よく行くジムはどこですか?
e-forum河内長野店とカードマックス羽曳野店の2店舗です。ジムバトルだけでなく、オーガナイザーさんの公認自主イベントもよく開催されているので、週末はほとんどこのどちらかに行っています。
そのエリアで活動しているオーガナイザーさんがいらっしゃるんですね。
じつはそのオーガナイザーさんとの出会いは僕にとって大きな転機になっているんです。最初のCLでこそいい結果を出せましたが、その後はなかなか結果が出せない時期が続いていました。その頃はお父さんとふたりだけで練習をしていて、相談できる人がまわりにいなかったんです。そんなときに、たまたま参加した自主イベントで主催のオーガナイザーさんと仲良くなって、その縁でほかにもマスターリーグのお兄さんたちと知り合うことができました。それからはお兄さんたちがたくさん教えてくれたり練習に付き合ってくれたりして、おかげで強くなれたと思っています。
世代を超えて繋がるポケカの輪
そのオーガナイザーさんたちとはいまでも仲がいいんですか?
はい。CL2022 横浜の前は、オーガナイザーさんの家に練習合宿に行きました。
お泊りにいくくらいの仲なんですね! もちろん信頼関係あってのことだと思いますが、お父さんの立場としてはどうお考えですか?
(お父さん)いつも本当によくしていただいていますし、安心して預けられますね。実力的に相手にならないので、僕は家で留守番です(笑)。こうして年齢の離れたお友だちができるのはポケカをやっているからこそだと思いますし、ポケカの実力だけでなく、ものの考えかたなんかも影響を受けて成長していくのを感じます。そういう意味でもポケカをやっていてよかったなと思いますね。