ヤマグチ ヨシユキ

入賞履歴

  • 2023年CL2023新潟 マスターリーグ 優勝
  • 2018年CL2019新潟 マスターリーグ 準優勝

ポケカを始めたきっかけ ポケカを始めたきっかけ

初めての対戦で世界3位の親子に遭遇!?
その影響を受けて5歳から公式大会に参加

ポケカを始めたきっかけを教えてください。
5歳のころにたまたま拡張パックが売っているのを見かけて、もともとポケモンが好きだったので買ってもらったんです。その後デッキとかも買ってもらって家で遊んでいたのですが、そんな僕の様子を見た親父が近所のお店に連れて行ってくれて、いまでいうジムバトルのような対戦イベントに参加しました。僕は何も分からないまま連れ出されたんですが、たぶんいろいろと調べてくれたんだと思います。
初めて知らない人と対戦してみてどうでしたか?
親子で来ている人たちが何組かいて、みんな優しくしてくれたのを覚えています。デッキ作りのことを手取り足取り教えてくれたり、足りないカードの交換もしてくれたりしてくれる人もいて、すごくお世話になりました。なんとその方の息子さんは当時の世界大会で3位に入賞するような強豪プレイヤーで。その親子と出会えたおかげでぐんぐん成長して、その年のうちに公式大会に出るようになっていました。
5歳のころからすでに公式大会に参加していたんですね。
改めて振り返ると早いですよね(笑)。でも大きく結果を残せたのは小学校2年生のころです。2007年の「バトルロードスプリング2007」で準優勝、「バトルロードサマー2007」で優勝、当時は8人しか出られなかった日本一を決める戦い「チャンピオンズリーグ2007」で3位という感じでトントン拍子に勝つことができました。そこで権利を得て翌年の世界大会にも出場しています。

CLOSE UP

ポケカとの別れと再開

ジュニア時代から輝かしい戦績を残していますが、中高といったんポケカから離れていたんですよね。
僕がシニアリーグに上がって2年目のタイミングで国内ではシニアリーグが廃止されてしまったんです。何度か大会には参加したのですが、自分よりもひと回りもふた回りも年齢が上の大人と対戦しないといけない環境で勝つのはやはり難しく……。2011年の世界大会にはシニアリーグで参加できたので、それを区切りにいったん離れる判断をしました。
またポケカをやろうと思ったのはいつでしたか?
大学生になってからで、2017シーズンの終わり際でした。復帰したてのころはまだ本気で向き合っていたわけではなかったのですが、2018年の世界大会を見ていてモチベーションがいっきに湧き上がってきたんです。世界で活躍する強豪プレイヤーたちがすごく輝いてみえて、自分も彼らと肩を並べられる存在になりたいと強く思いました。それで2019シーズンからはよりいっそうポケカに力を入れるようになりました。

得意なデッキ 得意なデッキ

相手に何をされても絶対に勝つ盤面作り
得意戦法のルーツは小学生時代に遡る

得意な戦いかたを教えてください。
ポケカの基本的な戦いかたのひとつではありますが、バトル場やベンチのポケモンたちをしっかりと準備して、相手に何をされても絶対に勝つという盤面を作り出すような戦いかたが得意です。
「チャンピオンズリーグ2023 新潟」で優勝した際のサーナイトexデッキなんかはまさにそういう戦いかたですよね。そういうスタイルが得意になったのはいつからですか?
ルーツをたどると、小学生の時につかっていたSPポケモンのガブリアスCとレントラーGLを組み合わせたデッキが影響しているのかもしれません。プレイングが難しめの玄人好みなデッキで、これを使いだしたころから勝てるようになっていった印象があります。当時は相手の手札を山札に戻して引き直させるようなカードはほとんどなかったので、手札をたくさん抱えながら盤面を整えて戦うというのが主流でした。まったくおなじ戦いかたができるわけではないですけど、そのころのイメージをいまも少なからず持っているんだと思います。

デッキ作りで大切にしていること デッキ作りで大切にしていること

「誰が使ってもおなじように使える」
再現性の高さを重視したデッキ作り

デッキ作りで大事にしていることを教えてください。
公開されているデッキリストなどを参考に、最初はシンプルに安定性を重視して作り始めます。再現性の高さがデッキの強さをはかる基準のひとつだと思うので、誰が使ってもおなじように使える状態が理想です。そこまでできたら、あとは誰かと意見交換をしながら本当に必要なカードとそうでないものを精査していって、入れ替えや枚数の見直しをします。だいたい58枚くらいが固まって、変えるとしてもあと1、2枚かなっていうところまで煮詰めたらいったん完成です。
自分が使いやすいようにとか、自分好みにアレンジするっていう話はよく聞きますが、「誰が使ってもおなじように」という考えかたはユニークでおもしろいですね。
ここ数年で自分の中でも考えかたが大きく変わってきていると感じていて、そういう考えかたになったのはわりと最近です。自分だけのとっておきのカードを入れて相手を出し抜いてやろうと考えていた時期もありましたが、そういうカードって毎試合活躍するわけではないことが多くて。5試合に1回大活躍するカードよりは、3試合に2回地味でも仕事をしてくれるカードを優先したいと考えるようになりました。ありがたいことに僕のデッキレシピを真似して使ってくれる人も多いので、その影響もあると思います。

CLOSE UP

生放送のコメントでも流れる「ONC」って何!?

ONC(お兄ちゃん)と呼ばれるようになった由来を教えてください。
もともとはいっしょに練習していた仲間が急に言い始めたのですが、何となく語感がおもしろかったので仲間内で流行りだしたんです。ワザを宣言するときに「(ワザの名前)、オニイチャーン!」みたいな(笑)。完全に身内ノリなんですけど、それを動画にして投稿しだしたらみんなもおもしろがってくれて。そこからいつしか僕自身がお兄ちゃんって呼ばれるようになっていって、だんだんONCと略されるようになっていった感じです。

一番思い出に残っている大会、使用したカード 一番思い出に残っている大会、使用したカード

泣くほど悔しかった世界大会での敗北が
ヨシユキ少年をもう1段階強くした

いちばん印象に残っている大会は何ですか?
うーーーん、難しい……。初めて参加した2008年の世界大会かなぁ。負けてめちゃくちゃ悔しかったのがいまでも記憶に残っているので。
15年前の悔しさがいまでも、ですか。
世界大会って、ありがたいことにだいたい観光とセットでツアーが組まれていると思うんですけど、悔しすぎて観光になんか行きたくない、ずっとポケカをしていたいって泣きながら駄々こねたのを覚えています。結局観光には連れていかれましたけど(笑)。いま思えば駄々こねるくらいならもっと練習しとけよって思うのですが、当時の僕なりに精いっぱいをぶつけた大会で、それでも勝てなかった悔しさが爆発したんだろうなと。
それだけ真剣に向き合っていたんですね。
その経験があったからか、翌年から一皮むけたような気がします。また世界大会に挑戦することになるのですが、当時は権利を得るためには都道府県ごとの大会で優勝しないといけなかったんです。でも僕は愛知県大会の決勝戦で負けて準優勝でした。優勝しないと世界大会に出られない大会で準優勝って、精神的にかなりキツいじゃないですか。それでもめげずに別の大会で権利を勝ち取り、2009年も世界大会に参加できたんです。

好きなカードとその理由 好きなカードとその理由

ポケカの理解度を深めてくれた
ピジョットの「マッハサーチ」

好きなカードを教えてください。
ポケパワー「マッハサーチ」のピジョットです。ポケパワーを使うと山札から好きなカードを1枚持ってこられます。子どものころの僕に、自分の番にやりたいことが必ずできるということの強さを教えてくれました。この「マッハサーチ」を起点にどんな動きができるかを考えていくうちに、ポケカのより深い部分にどんどんのめり込んでいきました。
ちなみに、好きなポケモンは?
ソーナンスです。復帰したてで参加した大会で入賞したときに景品としてぬいぐるみをもらったのがきっかけで好きになりました。見た目がかわいいし、がまんしている姿を見ていると頑張りが伝わってきて応援したくなるんです。

よく行くジム よく行くジム

遠征先で練習を通して誰とでも気軽に交流
普段は仕事帰りに元四天王宅で

よく行くジムはどこですか?
ジムバトルにはあまり行かないのですが、仕事帰りに第4期ポケカ四天王のサイトウコウセイの家に行くことは多いです。「今日できる?」、「できるよ」っていう軽いやり取りをして気軽に寄れるので助かっています。
ほかにはどういった場所で練習をされていますか?
あまり決まった場所で決まった人とずっと練習するというタイプではなくて、大会でたまたまあった人と練習したり、招待してもらった大会に遠征した先で練習会に参加させてもらったりしています。そうやって気軽に誰とでも交流しているうちに、だんだん気の合う仲間が増えてくるというのが、自分の人間関係の築きかたとしてもしっくりくるんです。

CLOSE UP

勝ち負けとおなじくらい、思いやりも大切に

大会参加中に意識していることはありますか?
「試合の前後は温かく、試合中はクールに」を心掛けています。相手がいてこその対戦ですから、お互いが最後まで気持ちよく対戦できるように礼儀や思いやりは大切にしたいです。勝ち負けが大事な世界ではありますが、それと同じくらい大事なことだと思っています。
素晴らしい考えだと思います。ちなみに、試合の合間は話しかけても大丈夫ですか? お話ししたいけど迷惑になるかもと不安なファンの方もいらっしゃるかなと思うのですが。
もちろん大丈夫です。声かけてもらえるとシンプルに嬉しいですし、そもそも試合の合間に人と喋るの好きなんですよ。根詰めすぎなくて済みますし、「お互い頑張ろうぜ」ってポジティブな気持ちになれるので。集中が切れたりパフォーマンスが落ちたりすることはないので、安心して話しかけてもらえると嬉しいです。単純に疲れていることもあるので毎回神対応とはいかないかもですが(笑)。