リングの上にはくれないのミツを吸い、真っ赤な翼を手に入れためらめらスタイルのオドリドリが軽快なステップを踏み、ポケモンと対峙していた。人々がまだ寝静まる早朝、うっすら朝日に照らされたリングで、オドリドリはポケモンたちと時たまひみつのトレーニングをしている。
ステップで相手を翻弄してくるのは、オドリドリのいつもの手だ。うかつに手を出せばカウンターを食らいかねない。警戒した相手はじっとオドリドリの攻撃を待っていた。ステップを警戒されているのならば、今日はいつもとは別の手を出してやろう。
オドリドリはぴたっとステップを止めると、翼を頭上に掲げ、翼の先まで凛と伸ばして見せた。急に静かになり、その場にいるポケモンたちがポカンと間の抜けた顔を覗かせる。はは、困ってらあ!オドリドリの胸がドキドキ高鳴った瞬間、赤い翼がメラメラと美しい炎に包まれ輝いた。相手のポケモンは慌ててまもりの姿勢を取ったが、オドリドリは華麗に足を振り上げ、ポケモンのはるか上へと舞い飛びそのまま一気に翼を振り下ろした!リングを包んだ炎が柱を作り、チラチラと美しい火の粉が辺り一面に降りしきる。
周囲のポケモンが唖然とする中、オドリドリはゆっくりとリングに降り立ち、美しくポーズを決めてみせた。まるで、ショーの終わったダンサーのように、華麗に、オドリドリはポケモンたちの心をさらってリングをあとにする。