9月22日(日・祝)と23日(月・振休)に開催された「チャンピオンズリーグ2025 東京」(以下「CL2025 東京」)の各リーグ優勝者にインタビューを実施しました。実際に使用されたデッキとあわせてご紹介します。
マスターリーグ優勝 フジタ ハルト選手
―――優勝おめでとうございます。フジタ選手は2023、2024に続いて3シーズン連続でのCL優勝となりました。今のお気持ちを聞かせてください。
何度経験しても、やっぱり優勝はすごく嬉しいです。今回は運も良かったと思います。
―――今年はマスターリーグ1年目の挑戦でしたが、いきなり優勝からスタートしました。シニアリーグとの違いは感じませんでしたか?
選手のレベルという面では、シニアの選手たちもかなり強いのでそこまで大きな差は感じませんでした。ただプレイヤー数の差はかなりありますね。対戦回数がとにかく多いのは大変でした。
―――使用したデッキと、デッキを決めた経緯を教えてください。
タケルライコexとオーガポン みどりのめんexのデッキを使いました。最初は友だちが使っているのを見て強そうだなと思っていて、 実際に相手してみるとまったく勝てなかったので自分も使うことにしました。レジドラゴVSTARのデッキも最後まで選択肢にあって悩んでいたのですが、タケルライコexは後攻1ターン目からでも大ダメージを出せるところを評価して選択しました。
―――デッキのこだわりポイントを教えてください。
トレッキングシューズを採用しているところです。試合終盤でのナンジャモに対してできるだけ強くしておきたいので、山札を圧縮できるトレッキングシューズは絶対に入れたいと思っていました。 対戦中も序盤中盤から終盤に向けて強力な山札を作るように心がけてプレイしました。
―――今回の大会で活躍したカードを教えてください。
ブライアです。DAY1とDAY2を通して3回くらい、このカードのおかげで勝てた対戦がありました。 使える場面が限定されているカードですが、それだけに使用できればそのまま勝ちにつながる強力なカードだと思います。
―――DAY1とDAY2でデッキの変更はされましたか?
この60枚に自信があったので、1枚も変更しませんでした。大会前日の夜まで悩み続けていましたが、そのかいあってかなり完成度の高いデッキリストになったと思います。
―――「ポケモンワールドチャンピオンシップス2025」(以下、「ポケモンWCS2025」)に向けて意気込みをお願いします。
これまでは最高でも24位とあまりいい成績を残せていないので、今回こそは満足のいく結果を残せるように頑張ります。まずは決勝トーナメントに進出したいです。
シニアリーグ1日目大会優勝 ウメハラ ハルク選手
―――優勝おめでとうございます。ハルク選手はジュニア時代にチャンピオンズリーグで3度の優勝、ポケモンジャパンチャンピオンシップス2連覇を達成。 そして昨年からシニアリーグに上がったばかりにもかかわらずチャンピオンズリーグ優勝とポケモンワールドチャンピオンシップス2024準優勝を達成しています。優勝に慣れてきているのではないかと思ってしまいますが、今のお気持ちを聞かせてください。
とんでもないです。優勝できて、すごく嬉しいです。
―――とくに印象に残っている対戦はありますか?
本戦トーナメント1回戦が印象に残っています。相手はリザードンexのデッキで、序盤はヨノワールの特性「カースドボム」を絡めた攻撃で残りのサイド枚数が相手が1枚、自分が5枚と相手に先行されていました。 そこからマシマシラのワザ「サイコトリップ」でこんらん状態にしてターンを稼ごうとしたのですが、2回連続でコインのオモテを出されて追い詰められてしまったんです。
ですが、その後アンフェアスタンプやワザマシン デヴォリューション、ナンジャモを使ってどうにか形勢を逆転できました。苦しい戦いを粘り勝つことができた、印象深い対戦でした。
―――使用したデッキと、デッキを決めた経緯を教えてください。
世界大会でも使っていたサーナイトexのデッキを今回も選びました。サーナイトexは現環境でもまだまだ戦えるポテンシャルがありますし、今回のCLまでに別のデッキを練習しなおすには時間が足りなかったというのもあって、使い慣れたサーナイトexに決めました。 現在の環境に合わせて、デッキの内容は少しだけ変更しています。
―――具体的にはどんな変更をされたんですか?
カウンターキャッチャーを2枚入れていましたが、そのうち1枚をクレセリアに変更しました。 数を増やしているドラパルトexのデッキに勝つために必要なカードだと考えています。カウンターキャッチャーもできれば2枚欲しいカードではあるんですが、今回はクレセリアを優先しています。 実際、予選の1回戦でドラパルトexとマッチングした際、クレセリアがなければ勝てなかった可能性があったのでいい判断だったと思います。
―――今回の大会で活躍したカードを教えてください。
シャリタツです。キルリアの特性「リファイン」に加えて、シャリタツの特性「きゃくよせ」があることで安定感が大きく上がります。 いわゆる事故が起こらないという自信をもって戦い抜くことができました。大活躍だったと思います。
―――「ポケモンWCS2025」およびこれからも続く2025シーズンに向けて意気込みをお願いします。
ハワイでは準優勝と惜しくも悔しい結果だったので、つぎのアナハイムこそはちゃんと優勝できるように頑張ります。
残りのCLも目標はすべて優勝ですが、さすがにそううまくはいかないと思っています。ただ、PJCSはここ2年優勝できていないので、今年こそは優勝したいと思っています。
シニアリーグ2日目大会 ハンザワ サトヒロ選手
―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
すごく嬉しくて、もう感無量です。これまでいっしょに練習してくれた人たちに感謝を伝えたいです。
―――使用したデッキと、デッキを決めた経緯を教えてください。
ゼロの大空洞とオリジンパルキアVSTARを組み合わせたデッキを使いました。 現在流行しているどのデッキに対しても互角以上に戦える点を評価していて、かつ環境トップのデッキに比べるとマークは緩めだと感じたのでこのデッキに決めました。
最初にボールが1枚でもあればスピンロトムの特性「ファンコール」でいっきに展開していけるので、プレイの再現性が高い点が気に入っています。
―――デッキのこだわりポイントを教えてください。
ケルディオを採用しているのは特徴的かなと思います。ミミッキュ対策という側面もありますが、ソウブレイズexデッキへの対策というのが主な採用理由です。 サイドを2枚ずつとり進めていきたいのですが、相手のレガシーエネルギーでどうしてもプランが崩されてしまいます。 ケルディオを使って相手にもサイドが1枚しかとれないターンを強制することで、互角以上に戦っていけるようにしています。
―――今回の大会で活躍したカードを教えてください。
ガラスのラッパが大活躍でした。エネルギーがすこし少なめのデッキなのですが、 オリジンパルキアVSTARの特性「スターポータル」やガラスのラッパでトラッシュのエネルギーを再利用することでカバーしています。 ガラスのラッパがあるとテラパゴスexへのエネルギー供給がスムーズになるところが強いです。 ガラスのラッパがなければ突破できないデッキも多く、何度も助けられました。
―――とくに印象に残っている対戦はありますか?
本戦トーナメント2回戦が印象深いです。勝てば3位以上確定ということで緊張していたのと、相手がタケルライコexのデッキだったというのが大きいです。タケルライコexはいちばん練習してきた相手であり、いちばん苦手な相手でもあります。 お互いにサイドを2枚ずつとりあっていくデッキですが、タケルライコexの方が大ダメージが出るまでのスピードが早いのでサイドを先行されやすいんです。
こちらは2-2-2ととり進めながら相手にはどこかで1枚しか取らせないターンを作るようなゲームプランを徹底していました。練習通りうまく試合を運んで、なんとか勝つことができてよかったです。
―――「ポケモンWCS2025」に向けて意気込みをお願いします。
オリジンパルキアVSTARが大好きなので、オリジンパルキアVSTARを使って優勝したいです! ......と言いたいところなんですが、たぶん「ポケモンWCS2025」のレギュレーションでは使えなくなってしまうのが残念です。 今回のデッキに採用されている多くのカードが使えなくなってしまうと思いますが、テラパゴスexを軸に別の形を模索していきたいです。
ジュニアリーグ1日目大会優勝 アマツジ アツシ選手
―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
嬉しいです! (インタビュールームで用意したお菓子を食べながら)いっぱいお菓子をもらえて、優勝してよかったと思います!
――喜んでもらえてよかったです(笑)。優勝の喜びを伝えたい相手はいますか?
全員です! 家族、ポケカ仲間、知らない人も含めてポケカプレイヤー全員に伝えたいです。
―――使用したデッキと、デッキを決めた経緯を教えてください。
特性「とおせんぼ」のカビゴンを主軸にしたデッキを使いました。苦手な相手が少なくて、強いデッキだと思います。 ただ、ルギアVSTARのデッキには少し苦戦しました。
――山札切れを狙う戦いかたは以前から得意なんですか?
初めて使いました。お父さんから「今回はカビゴンで戦ってみない?」と言われて大会の2か月前くらいから練習を始めました。 もともとシンプルに高いダメージのワザで相手のポケモンを倒していくよりも、先の展開を見据えながら細かくダメージを蓄積させて相手を詰ませていく戦い方が好きだったんです。 それもあって、使ってみると自分の手になじむ感じがあったので大会でもこれで行こうと決めました。
―――今回の大会で活躍したカードを教えてください。
カビゴンが大活躍でした! ほかには、ネジキも活躍してくれました。特性の「そくせきじゅうでん」が不要になった後のロトムVを盤面から退場させながらカビゴンを出す動きがとても強いです。 これまでもいろいろなデッキにネジキを入れて使ってきたので、シンプルにお気に入りのカードでもあります。
―――「ポケモンWCS2025」に向けて意気込みをお願いします。
これまで世界大会を目指して練習してきたので、目標を達成できて嬉しいです。参加するからには勝ちたいです! 世界1位を目指して頑張ります!
世界大会に向けて、これからもいろいろなデッキを使って練習を重ねていきたいと思っています。つぎはドラパルトexのデッキを練習する予定です。
ジュニアリーグ2日目大会優勝 フジモリ ハルマ選手
―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
まさか優勝できるとは思っていませんでした。運も良かったと思いますが、ここまでの結果を出せてすごく嬉しいです。いつもいっしょに練習しているチームのみんなに感謝を伝えたいです。
―――使用したデッキと、デッキを決めた経緯を教えてください。
リザードンexのデッキを使いました。序盤の展開がうまくいかなくても、劣勢に追い込まれてしまっても、逆転に繋がる動きがしやすいところが魅力的だと感じています。 具体的には、場のリザードンexやヒトカゲをすべて倒されてしまった状態からでも、 ネジキを使えば1ターンでリザードンexを場に出し直して攻撃に移ることができます。
実際、予選の6回戦でパオジアンexのデッキと対戦した際に相手のかがやくゲッコウガにヒトカゲを2匹同時に倒されてしまったのですが、いま言ったようなネジキを使った動きでリザードンexを場に出して攻撃することができました。 そのまま逆転してその対戦に勝利できたので、どこからでも逆転のチャンスがある強いデッキだと思います。
―――デッキのこだわりポイントを教えてください。
かなりオーソドックスな60枚で、とくに珍しい点はないと思います。 そのぶん、練度を高めることに集中していました。「ポケモンWCS2024」でもリザードンexのデッキを使っていましたし、その後も休むことなく練習をし続けました。 平日はオンラインで1日10戦くらいやりつつ、お父さんとも2時間くらい対戦していました。その努力が今回の結果に結びついたのかなと思います。
―――今回の大会で活躍したカードを教えてください。
ブライアです。じつは採用するかどうか悩んでいたのですが、ブライアを入れたおかげで勝てた試合が何度もありました。 フトゥー博士のシナリオやロストスイーパーなどが入れ替えの候補でしたが、ブライアにしてよかったと思います。
―――「ポケモンWCS2025」に向けて意気込みをお願いします。
「ポケモンWCS2024」ではDAY2まであと少しというところで負けてしまったので、まずはDAY2進出が目標です。それを達成した後は、もっと上を目指して頑張ります!
「ポケモンワールドチャンピオンシップス2024」から約1か月、早くも2025シーズン最初のチャンピオンズリーグが開催されました。 今回からジュニアリーグとシニアリーグはDAY1とDAY2でそれぞれ2大会開催となり、全体で5人のチャンピオンが誕生しました。その5人全員がべつべつのデッキを使用しており、群雄割拠の新シーズンとなりそうです。