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「チャンピオンズリーグ2025 福岡」優勝者インタビュー

2025.2.21
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2月15日(土)と16日(日)に開催された「チャンピオンズリーグ2025 福岡」(以下「CL2025 福岡」)の各リーグ優勝者にインタビューを実施しました。実際に使用されたデッキとあわせてご紹介します。



マスターリーグ優勝 ササキ ヒロム選手

詳しいデッキレシピはこちら


―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。

第6期ポケカ四天王として活動させていただいたり、「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2022」では準優勝したりもしましたが、大型大会での優勝はこれまで達成できていませんでした。今回その念願を果たせて、とても嬉しいです。



―――配信では「(大会で使用するデッキを)本番2日前に決めた」という話もされていましたが、改めて今回のデッキを使用することに決めた経緯について教えてください。

もともと、オーダイルミロカロスexを組み合わせたデッキタイプ自体は環境的にいい立ち位置になりそうだと注目をしていました。ただ同時に、従来の構築ではドラパルトexデッキに対して勝ちきれないという点が大きな課題だという認識も持っていたんです。ドラパルトexは今大会で使用率がもっとも多いデッキになるだろうと考えていたので、その課題は致命的でした。



オーダイル
ミロカロスex

―――その課題が、2日前に解決したと。

はい。大会直前になって、SNS上で「もし大会に参加できるなら、このデッキを使いたかった」という趣旨の投稿がたくさん見られました。そのうちのひとつに、ミロカロスexを2枚いれたオーダイルデッキのレシピがあったんです。 従来の構築ではミロカロスexは1枚の採用だったのですが、2枚にすることによってドラパルトexデッキに対する勝率がかなり大きく上がるんです。「これならいけるぞ」と自分の中で評価がガラッと変わったので、大会直前ではありましたがデッキの選択を決めました。


―――デッキのこだわりポイントについても伺いたいのですが、やはりミロカロスexの2枚採用が重要な部分でしょうか。

そうですね、重要だというのは間違いないです。ただ個人的なこだわりという面で言えば、アカマツを採用している点ですかね。参考元のデッキレシピには採用されていなかったのですが、マシマシラに悪エネルギーをつけながら水エネルギーを手札に用意できるところがこのデッキにとてもマッチしていて気に入っています。 アカマツがなければエネルギーの準備が間に合わないというシーンはどうしてもあるので、この2日間で何度も助けられました。採用してよかったと思っています。



アカマツ


―――2日間合わせて19戦ものバトルを行われたわけですが、その中でもとくに印象的だった対戦はありますか?

決勝トーナメントの1回戦ですかね。普段いっしょに練習しているメンバーとの対戦でした。相手のデッキはミロカロスexやリキキリンex、オーガポン いしずえのめんexが入っていて、練習段階から苦手意識がありました。 案の定かなり苦戦を強いられたのですが、何とかギリギリ粘りつつスボミーのワザ「むずむずかふん」を絡めながら勝利することができました。この対戦内容は自分の中でかなり満足できるものだったので印象に残っています。


また決勝戦での後攻6回目の番も印象深いです。オーダイルの特性「トレントハート」によってのせたダメカンをマシマシラの特性「アドレナブレイン」で相手のキチキギスexにのせ替えたのですが、オーダイルのダメカンを5個すべてのせ替えれば相手のキチキギスexを倒せていたところ、あえてダメカンを1個だけ残すようにプレイしました。


このとき相手のベンチにいるドロンチにダメカンが3個のっていて、残りのHPは60でした。このドロンチを次の番に特性「アドレナブレイン」を2回使用して倒したかったんです。 特性「トレントハート」でオーダイルにのせるダメカンは5個ですから、あの番にダメカンを1個残しておいたことでちょうど6個のダメカンを相手のドロンチにのせ替えることができました。このプレイがあの場でできたことは、大きな自信になったなと感じます。



―――そうした素晴らしいプレイ内容はもちろんのこと、決勝戦という場にはある意味で似つかわしくないほどに和やかな雰囲気で試合を楽しまれていて、つねに余裕があるような印象を受けました。

いえいえ、余裕なんてぜんぜんありませんでした。決勝戦の相手だったクラシマ リョウヤ選手とは面識もありましたし、普段から楽しんでプレイするのがいちばんだと思っているので楽しくプレイしようというのは意識していたところではあります。もちろん真剣勝負の場なのでピリピリした空気になる方が自然なのかなとは思うのですが、個人的には和やかな雰囲気でプレイしたいので。



―――きっと、そうした部分もササキ ヒロム選手の魅力のひとつなんだと思います。それでは最後に「ポケモンワールドチャンピオンシップス2025」(以下、「ポケモンWCS2025」)へ向けて意気込みをお願いします。

配信では「世界一になります」なんて大見得切ってしまいましたが、そこまでの道のりはコツコツと丁寧に積み重ねていきたいと思っています。これから「ポケモンWCS2025」まで、一歩一歩を大切にしながら着実に進んでいきます。




シニアリーグ優勝 コウノ ヒトツグ選手

詳しいデッキレシピはこちら


―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。

ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです。これまで諦めずに頑張ってきてよかったです。



―――今回のデッキを選んだ理由を教えてください。

大会で多くの人が使用する人気のデッキは強力な反面、対策もされやすいし同系統のデッキ同士の対戦も起こりやすいです。そうなると僕は少し自信がなかったので、あまりメジャーでなく対策されづらいデッキの中から環境に合ったデッキを選ぼうと考えました。そういった経緯でユキメノコマシマシラを軸にしたデッキを組むことにしました。



ユキメノコ
マシマシラ



―――ユキメノコとマシマシラの組み合わせはどんなところが強みなんでしょうか

ユキメノコは特性「いてつくとばり」で特性を持っているお互いのポケモンにダメカンをのせられます。自分のポケモンもダメージを負ってしまう点は一見するとデメリットですが、マシマシラなら特性「アドレナブレイン」でデメリットを消してしまうどころかメリットを倍にすることができます。その相性の良さが、この組み合わせを軸にした理由です。


そのうえで、このデッキにはスボミーやマラカッチ、クエスパトラexといった相手の展開を遅らせるポケモンたちが多く入っています。そうやって相手の動きを鈍らせている間にユキメノコとマシマシラで相手のポケモンにダメカンを多くのせ、いっきにサイドをとれる点がこのデッキの強みだと思っています。



スボミーV
マラカッチ
クエスパトラex



―――環境に合わせたデッキ選択をしたとのことでしたが、とくに意識していた相手は何のデッキでしたか?

オーガポン みどりのめんexを採用したデッキやドラパルトexデッキが多くなるだろうと考えていました。これらのデッキには特性を持っているポケモンが多数採用されているのでユキメノコがかなり有効にはたらくと思っていましたが、実際にそれらのデッキとマッチングした対戦は全勝できました。事前の想定通りの結果が出せてすごく嬉しいです。


―――デッキのこだわりポイントについても教えてください。

クエスパトラexラッキーメットが入っているところです。とくにクエスパトラexはあまり意識されていないのか、ヒラヒナをベンチに出してもほとんど警戒されず、こちらのやりたいことがやりやすかったです。


ラッキーメットは、手札の状況があまりよくないときなどに展開を安定させるためのカードとして採用しています。ペパーなかよしポフィンと併用して、ピィにつけることで安定感がさらに増します。序盤はうまくいかなかったけど、ピィとラッキーメットのおかげで巻き返せた試合が何度もあって、その強さを改めて実感しました。



クエスパトラex
ラッキーメット

―――大会を通して、とくに印象的だった対戦はありましたか?

予選の最終戦です。対戦相手が2019年にジュニアディビジョンで世界チャンピオンになったミヤモト ハルキ選手だったのですごく緊張しました。この試合でも序盤の手札があまりよくなかったのですが、ピィとラッキーメットで手札を補充できたことで、後半でいっきに巻き返すことができました。



―――元世界チャンピオンに勝利したことで自信と勢いがついたのかもしれませんね。それでは最後に、「ポケモンWCS2025」へ向けて意気込みをお願いします。

横浜で開催された「ポケモンWCS2023」では、Day1で敗退してしまい悔しい思いをしました。2年ぶりの世界大会参加になるので、今回こそ世界の強豪プレイヤーを相手に勝ち上がれるように、これからも頑張ります!


ジュニアリーグ優勝 フルカワ アキト選手

詳しいデッキレシピはこちら


―――優勝おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。

優勝できて、本当に嬉しいです。普段からお父さんとお母さん、お兄ちゃんがたくさんサポートしてくれているおかげで僕は練習に集中できているので、すごく感謝しています。福岡は地元ということもあって、今回は家族みんなで応援に来てくれているので、いつもよりも負けられないという気持ちが強かったです。なんとか家族に恩返しをしたいと思っていたので、優勝した瞬間はすごく嬉しかったし、ホッとしたような感じもありました。



―――優勝という結果は最高の恩返しになったのではないでしょうか。

(お父さん)私たちとしても大型大会での優勝というのを目標としてやってきましたので、とても嬉しいです。当然本人の努力があってこそですが、妻も長男も日頃からサポートしてくれていましたので、そのことも今回の結果の一因になっているのではないかなと思います。
そしてそれだけでなく、地元の仲間たちの応援も力になっていたと思います。本戦に上がってからは続々と仲間たちが駆けつけてくれて、みんなで祈るようにいっしょに戦いを見守ってくれていました。普段からいっしょにジュニアリーグを盛り上げていこうと言ってみんなで頑張っている仲間たちなので、息子が優勝した瞬間はそれこそ僕自身も彼らに恩返しができたような気持ちになりました。




―――ご家族をはじめ、たくさんの方々の想いを背負って戦っていたんですね。そしてその想いをいっしょに背負ったのは、ドラパルトexリザードンexのデッキでした。このデッキに決めた理由を教えてください。

「チャンピオンズリーグ2025 大阪」まではサーナイトexデッキをずっと使っていたのですが、特性「リファイン」のキルリアがレギュレーション変更で使えなくなるので別のデッキを考えることにしました。サーナイトexデッキを使い慣れていたので、なるべく近い動きができるように考えたときに、同じ2進化のポケモンexが主体でありドロンチの特性「ていさつしれい」で手札の補充もできるドラパルトexデッキが候補になりました。


(お父さん)ただ、ドラパルトexは環境的に対策がより厚くなるだろうと思ったので、ドラパルトexだけで戦うのではなく互いを補い合えるようなポケモンと組ませたいと考えました。息子といっしょにいろいろと試行錯誤をしつつ、ドラパルトexにはない大ダメージの一撃を備えたリザードンexと組ませることにしたんです。


相手のデッキによってドラパルトexとリザードンexを使い分けることで、片方が本来不利な相手にもしっかり戦える点が強いと感じています。実際に今回マッチングした中でも、ブリジュラスexはドラパルトexだけだと戦いづらい相手ですが、リザードンexがいたおかげで勝ちきることができました。



ドラパルトex
リザードンex

―――このデッキを使うことに決めてからの練習期間はどれくらいあったのですか?

サーナイトexは12月いっぱいで使うのをやめて、1月からこのデッキで練習を始めていました。


(お父さん)早めに動き出すことが重要だと思ったので、名残惜しかったですがサーナイトexとは昨年いっぱいでお別れしてもらうことにしました。やはり最初のころはボロボロに負けていましたが、この1か月半少しずつ調整を重ねることでかなり仕上がったと思います。



―――早期からの計画的な準備が功を奏したわけですね。かなり使い慣れたデッキだということですが、中でも今回とくに活躍したカードは何でしたか?

夜のタンカです。トラッシュから山札に戻すのではなく、直接手札に持ってきてすぐ使えるというのがこのデッキではとても使いやすいです。夜のタンカが勝負の決め手になるシーンが多かったので、今日のMVPだと思います。



夜のタンカ

―――最後に「ポケモンWCS2025」へ向けて、意気込みをお願いします。

昨年の「ポケモンWCS2024」は66位で終わってしまいました。「今年こそ絶対に優勝するぞ!」という気持ちで頑張ります!




2025年になって初めてのチャンピオンズリーグ開催となりました。今回からレギュレーションマーク「F」のカードが使用できなくなったこともあり、これまでとは違ったデッキやポケモンたちの活躍が多く見られました。 マスターリーグチャンピオンのササキ ヒロム選手が使用したオーダイルとミロカロスexのデッキはまさしくその象徴だったと言えるでしょう。
そんな新時代の幕開けとなった「CL2025 福岡」に続き、今後もさらに熱い戦いが繰り広げられることでしょう。
次回の「チャンピオンズリーグ2025 宮城」は4月5日(土)と6日(日)に開催されます。そこでは、今大会で最新情報が発表されたシロナのガブリアスexをはじめとする強化拡張パック「熱風のアリーナ」に収録されるカードたちの活躍も期待されます。また、今回のオーダイルのように既存のカードが何かのきっかけで突如評価を上げて環境入りするなんてこともあるかもしれません。
宮城ではどんな展開が待ち受けているのか、楽しみにお待ちください。

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