2018年9月の横浜大会からスタートしたポケモンカードゲーム チャンピオンズリーグ2018。京都大会のマスターリーグを制したのは、イトウ シンタロウ選手。 ウルトラネクロズマGXとネクロズマ あかつきのつばさGXを2アタッカーに据えた、カラマネロとのコンボデッキで勝利を勝ち取った。
"色々なデッキが出てくると想定・対策をしていても、練習量が十分取れていないと怖い"
―GXワザで勝負を締めくくった見事な勝利でしたね。優勝おめでとうございます。いまの気持ちは。
今シーズンは(2位だった)横浜とか、その後のいろんな大会でもあと一歩のところで負けてて。勝ち切れていないなぁと思っていたなか、今日は最後まで勝ち切れたので、心から嬉しいです。
―予選結果を見て男泣きをしたと聞いたのですが、本当ですか? 理由は?
本当です。(苦笑)予選最終ラウンドで情けないミスをしてそのまま負けてしまって、予選を抜けられるとは全く思っていませんでした。で、今回もまた勝てなかったと完全に落ち込んでいたところ16位に入ってて、まだ戦えるんだって思ったら。(笑)
―ではそのデッキについて教えてください。
僕のデッキは、ウルトラネクロズマGXとネクロズマ あかつきのつばさGXを2アタッカーとしたデッキです。ウルトラネクロズマGXで相手のポケモンGXを一撃で倒していく、もしくはネクロズマ あかつきのつばさGXの120ダメージで、HPの低いポケモンや、火力の高い大ワザを使ってこないポケモンGXに対して2発で倒していく戦い方のデッキです。
―相手に合わせてアタッカーを変えるのですね。
そうです。例えばガマゲロゲEXはネクロズマ あかつきのつばさGXの方で倒していくことが多いです。例えば準決勝のシュナイパーGX+ガマゲロゲEX戦では、僕はウルトラネクロズマGXを場に出しませんでした。理由としてはウルトラネクロズマGXで戦った場合、ジュナイパーGXの特性「フェザーアロー」でカラマネロを狙われてしまうので、ワザ「フォトンゲイザー」を使った後に何もできなくなってしまうからです。そうならないために、カプ・テテフGXで回復させつつ、ネクロズマ あかつきのつばさGXで何とか戦いながら、場にエネルギーが溜まる状態に持っていき、ルナアーラプリズムスターでジュナイパーGXを一撃で仕留めるのが一番勝てる道筋とみていたので、そのプランで戦って勝つことができました。
―その道筋は、デッキを作る段階から想定していましたか。
はい。今回は色々なデッキが出てくると想定していたので。ただ普段に比べて練習量が足りていなかったこともあって、上手く対応できるか不安でした。想定していても練習量が十分でないと怖いですね。だから不安はあったんですけど。何とか勝てました。
―今回の環境で特に意識したデッキは?
マッシブーンGX、ルガルガンGX+ゾロアークGX、オーロット、それと僕と同じデッキタイプのミラーマッチ戦も意識して作りました。
"今日のデッキは、「禁断の光」発売当日に実は出来上がっていた"
―決勝のウオギシ選手とは、横浜のTop16戦以来の対決とか。今回どうでしたか。
ゾロアークGX+ダストダスのデッキだったので、ダストダスの特性「ダストオキシン」が相性的にどうかなと感じる部分はありましたが、冷静に対応するように努めて、何とか勝てたかなと思っています。
―というと。
相手のバトル場にいたカプ・テテフGXを倒せる場面があったのですが、あえて倒さない選択をしました。結果それが生きて、勝ちに繋がったなと思っています。
―ウルトラネクロズマGXについていたビーストエネルギーが、カミツルギGXの特性でロストゾーンに行った後、長考していましたね。
あの時は手札が確か9枚くらいあって、グッズが色々あって、取れるプランが2つあって迷っていました。1つ目は、バトルサーチャーでグズマを使って、相手のベンチポケモンのゾロアを倒す。2つ目は山札からネクロズマ あかつきのつばさGXを持ってきて、かるいしをつける。それから手札のグッズを全部使った後にプラターヌ博士で山札にいる鋼エネルギーに辿り着いて、バトル場のゾロアークGXを倒す。前者は安全策なんですけど、ここで安全なプレイをし続けていると、「ダストオキシン」が発動してしまった時に僕の戦術が止まってしまうので、ここは大分強気にいくべきなのではと思っていたのですが...
―迷う何かがあった?
サイドに鋼エネルギーが1枚落ちていたんですよ、、! しかも山札は残り20枚以上あって。この状態からだと、どんなに頑張っても残りの鋼エネルギーとユニットエネルギー雷超鋼、どちらにもたどり着けないんじゃないかと、なかなか勇気が出なかったです(苦笑)。バトルコンプレッサーで少しでも圧縮して、引けたらいいな、引きたい!と思ってプレイしたらなんとか来てくれたので、流れを変えることができました。
―今日の戦いに点数をつけるなら何点ですか?
予選は自分でやらかして負けたので0点。でも決勝トーナメントは冷静に戦っていけたので、90点くらいあげてもいいのかな。
ーウルトラネクロズマGXの評価は。
実はこのデッキ、3月の発売日に出来上がっていてました。そして当時から採用カードや構築はほとんど変わっていません。
―え。...名古屋大会はどのデッキで出たんですか?
マッシブーンGX。このデッキを使う案もあったのですが、マッシブーンGXで調整をしていたので、京都大会に取っておこうと思いました。でもこのデッキはずっと強いと思っていました。
―そう思う理由を、詳しく教えてもらえますか。
ウルトラネクロズマGXは、鋼エネルギー1枚、超エネルギー2枚、こだわりハチマキがつくことでダメージを210まで上げることができます。で、これは今までのポケモンカードのどの時代をとっても、破格の性能だと思うんです。さらにカラマネロでエネルギーを加速する手段もあるし、HPも190と高い。ウルトラネクロズマGXを倒しにくるポケモンはほとんどがポケモンGXなので、ウルトラネクロズマGXが1匹倒されても、2匹目のウルトラネクロズマGXで、次の番で即反撃することができる。たとえ相手に、カラマネロのエネルギー加速を止めるオカルトマニアを使われたとしても、ビーストリングを使うチャンスが残っているので反撃の機会がある。やはり強いと思っています。
―もし名古屋大会でこのデッキを使っていたら、京都大会はもっと違った戦いになっていたかもしれませんね。そして次に目指すのは、6月のジャパンチャンピオンシップスですが、ご自身の使ったデッキが今後大会で増えていく可能性もあると思いますが、このデッキの対策手段は。
このデッキに勝つためだけのデッキなら作れますけど、その他も含めると、自分でも答えはまだ持っていません。5月、6月の新弾も控えているので環境も大きく変わると思いますし、新カードを入手して検討し、ジャパンチャンピオンシップスに備えたいです。
―イトウ選手、ありがとうございました!
名古屋大会でのマッシブーンGXの席巻を受け、京都大会では様々なデッキがある中、対策の一つであるウルトラネクロズマGXを選んだユーザーはそう多くなく、名古屋大会よりも実は減っていました。しかしその中で、環境を読み切っての優勝はお見事でした!
イトウ選手には「ポケモンワールドチャンピオンシップス2016」の時にもお話を伺っており、ポケカを始めたきっかけやデッキの作り方などについて教えていただいています。 合わせてお楽しみください。
詳しくはこちら
マスターリーグ 各カードのデッキ採用率
(1枚以上該当カードが採用されているデッキの率)
カード名 | 名古屋 | 京都 |
---|---|---|
ゾロアークGX | 27.7% | 24.3% |
マッシブーンGX | 18.7% | 19.0% |
ウルトラネクロズマGX | 9.0% | 8.0% |