毎週水曜日14時に更新! 連載企画「限界まで語り尽くす! My Favoriteポケカ」では、ポケカをプレイしているあの有名人やポケカ四天王など、様々な人たちから話を聞いて、「My Favoriteポケカ」、すなわち、「ポケモンカードゲームの中で気に入っているカード」を、好評発売中の新商品から1枚紹介してもらいます。
第4回は、ポケカ四天王の一人、シマダダイチ選手にインタビューしたいと思います。
シマダダイチ選手
ポケカ四天王の一人。「チャンピオンズリーグ2019新潟」優勝、「チャンピオンズリーグ2020東京」優勝という輝かしい戦績を持ち、相手の動きを妨害する戦略が得意なプレイヤー。独自の目線でめずらしいカードを活躍させる。大会に参加する時は、決まってホワイトチョコレートとコーラを口にするという。
―――こんにちは。
こんにちは。今日はよろしくお願いします。
―――どうぞよろしくお願いします。早速ですが、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。
第3期ポケカ四天王として活動しているシマダダイチです。「ポケモンカードゲームDPt」シリーズが始まったぐらいの時から遊んでいるので、ポケカ歴は10年以上になりますね。最近は、対戦動画や解説動画をYouTubeにアップして、ポケモンカードゲームの面白さをより多くの皆さんにお届けする活動に力を入れています。
トレーナーズウェブサイトでは、新しい商品が発売されるタイミングで、「ポケカ四天王直伝のデッキレシピを公開!」という記事に寄稿していますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです。(強化拡張パック「爆炎ウォーカー」の回)
―――ありがとうございます。「チャンピオンズリーグ2019新潟」と「チャンピオンズリーグ2020東京」で見事優勝されており、実力はまさにお墨付きのシマダダイチ選手。「My Favorite ポケカ」が気になるところです。
今回、強化拡張パック「爆炎ウォーカー」からクワガノンVを「My Favorite ポケカ」に選びたいと思います。
―――新しく収録されたポケモンVのカードですね。どういったところに魅力を感じるのでしょうか。
もともと甲虫類が好きで、その中でも一番好きなのがクワガタムシなんです。実は、成人になってからも山にクワガタムシを取りに行ったりしていますし、いま私は社会人で1人暮らしをしているのですが、家でクワガタムシを飼っていたこともあるくらいです。それくらい、クワガタムシのことが好きなんです。
―――なるほど、つまりクワガノンというポケモンがお好きなんですね。
はい、分類が「くわがたポケモン」で、クワガタムシのような姿をしているクワガノンというポケモンがすごく好みでした。4月24日(金)に発売された強化拡張パック「爆炎ウォーカー」にクワガノンVが登場するとわかった時は、なにか運命的なものを感じました。
―――このカードは絶対使ってやるぞと(笑)
そうですね(笑) あと、単にクワガノンというポケモンが好きなだけでなく、クワガノンVは、「パラライズボルト」という非常に面白いワザを持っているので。
―――「次の相手の番、相手は手札からグッズを出して使えない」という効果を持つワザですね。
僕は相手のポケモンについているエネルギーをトラッシュしたり、相手プレイヤーやポケモンの動きを封じたりする戦い方が好きなんです。だから、今回登場したクワガノンVのワザ「パラライズボルト」は、まさしく僕の好きな戦術にぴったりなんです。現在のスタンダードレギュレーションでは使えないカードですが、過去の大会で多くのプレイヤーが採用したガマゲロゲEXのワザ「ブルブルパンチ」を思い出させるようなワザであり、強いプレイヤーが上手く使うカードなのだろうと思います。
―――ポケカ四天王ならではの鋭い分析です。では、このクワガノンVを採用したデッキをご紹介ください。
はい、こちらです。
雷タイプのクワガノンVは、エレキパワーでワザのダメージを上げることができます。そのため、デッキに入れるポケモンを雷タイプだけにすると考えがちですが、ワザに必要なエネルギーは、雷エネルギー1枚と無色エネルギー1枚ずつなので、実は色々なポケモンと組み合わせることができるんです。
―――先入観に縛られてはいけないと。
デッキを作る際は、そのカードの一般的とされている使い方を疑って、別の視点から考えることも重要です。それもデッキを作る楽しさの一つだと思います。さらに今回は、ポケモンVやポケモンGXではないポケモンも活かしたいと思ったので、ツインエネルギー1枚で強いワザが使えるグソクムシャと組み合わせてみました。
―――グソクムシャの「ぎゃっきょうぎり」は、相手の場にポケモンVやポケモンGXが多いほど強くなるワザですね。
メリープの特性「ふわふわまくら」とまどろみの森の組み合わせで相手を眠りにし続け、同時にクワガノンVでグッズの使用すら封じる戦い方は非常に強力です。相手のポケモンが持つワザのダメージがどれだけ大きくても、攻撃されなければ問題ありません。
しかし、クワガノンVのワザ「パラライズボルト」のダメージは50であり、これだけでは少し物足りないです。妨害をしている間に、相手に別のポケモンをベンチで育てられてしまいます。そこで、ベンチの準備ができているほどワザのダメージが上がっていくワザ「ぎゃっきょうぎり」を持つグソクムシャをサブアタッカーとして入れておくと、相手は戦うのが本当に難しくなります。
―――相手の動きを妨害する戦略が得意なシマダダイチ選手らしい発想です。そのほか、このデッキのアピールポイントはどういうところでしょうか。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、クワガノンVとグソクムシャ、ゲーム『ポケットモンスター』シリーズでは、どちらもむしタイプを持つポケモンです。デッキの話からは離れてしまいますが、ほかにも「爆炎ウォーカー」には、バタフリーVMAXやマルヤクデVMAXのようなカッコイイイラストのポケモンが収録されているので、昆虫好きの僕としては、開封していてとても楽しいパックでした(笑)
―――むしとりしょうねんを地で行くような、シマダダイチ選手のクワガノンVへの想いが詰まった「My Favorite ポケカ」でした。
ありがとうございました。
―――それでは最後に、10年以上のポケカ歴の中で、印象に残ったエピソードをお聞きできますでしょうか。
小学生時代、僕はポケモンカードにハマりました。しかし、一緒にポケモンカードを遊ぶ友達が周りにいませんでした。「いつか世界大会に出たいなぁ」と思っていたので、デッキを2つ作って1人で対戦していました。いわゆる1人回しですね。
そんなある日、当時放送していたポケモンの情報番組で、世界大会であるポケモンワールドチャンピオンシップスが特集されていました。今のようにSNSが発達しておらず、その放送が僕にとって貴重な情報源で、録画して何百回も見ました。その放送に、一際目立つ元気な少年がいました。それが今一緒に第3期ポケカ四天王として活動しているヤマグチヨシユキさんです。
「チャンピオンスリーグ2019新潟」の決勝戦で彼と戦う少し前にそれを知ったので、約10年間画面の向こう側にいた少年と対戦することができたこの決勝戦は、とても印象に残る試合となりました。
―――なんとも運命的なエピソードですね! シマダダイチ選手、ありがとうございました!
毎週水曜日更新の「限界まで語り尽くす!My Favoriteポケカ」、次回は5月27日(水)14時に第5回を公開いたします。
第5回は、シマダダイチ選手のエピソード最後に登場した、ヤマグチヨシユキ選手にインタビューをしました。ポケカ四天王としては二人目の登場です。いったいどんな「My Favorite ポケカ」が出てくるのか、ぜひご期待ください。