ポケカを始めたきっかけを教えて下さい。
初めて手にしたポケモンカードは、飛行機に乗ったときにもらったポニータのカードでした。それからすこしずつコレクションしていたのですが、小学校低学年くらいのときに従兄弟が対戦してみたいと言ったのをきっかけに、2007年のポケモンフェスタ2007「ポケモンパルシティ」というイベントに行って対戦したことを覚えています。
従兄弟さん以外とポケカをするようになるのはいつごろからですか?
出身が徳島県なのですが、その従兄弟は県外に住んでいてなかなか会えず、ポケカを遊んでいる友達もいなかったので、ひたすら一人回しをしている時期が続きました。結局、誰かといっしょに練習するようになったのは7年後の2014年からなんです。
そんな小さい頃から7年も一人回しを続けていたことも驚きですが……2014年には何かきっかけがあったのでしょうか。
そもそものきっかけは2010年のポケモンワールドチャンピオンシップス日本代表決定大会・47都道府県予選でした。そこで対戦した相手が前年に世界大会に出場したことを聞いて、そんな強い人がいるんだと印象に残っていたんです。そして2014年に大阪の大会で偶然再会したことから仲良くなって、彼の行っているカードショップに僕も通うようになりました。そこから急速にポケカの輪が広がっていったんです。
エネルギーをトラッシュさせて相手を妨害!
ラフレシアをきっかけに、からめ手に目覚める
得意な戦いかたを教えてください。
相手のやりたいことをさせないように妨害しながら立ち回るデッキが好きですね。相手のポケモンのエネルギーをトラッシュする動きがとくに好きで、最近だとコータスVが発表されたときはテンションが上がりました(笑)。
そのような戦いかたに魅力を感じるようになったのはいつからですか?
ポケモンカードゲームLEGENDの拡張パック「よみがえる伝説」に収録されていたラフレシアを対戦相手に使われたときからです。「アレルギーフラワー」というお互いのプレイヤーがグッズを使えなくなるポケボディーを持っていて、デッキに入れているカードが使えなくなるということに衝撃を受けました。
ラフレシアはいつの時代も特徴のある性能をしてますよね。
第3期四天王に任命!
正直なところ、お話をいただいたときは引き受けるかどうかすごく悩みました。注目を浴びることがプレッシャーになるのではと不安になったんです。でも、それはこれまでの四天王が通ってきた道で、彼らに勝ちたいなら同じことができなければならないと思いました。
実際に四天王になったことで環境に変化はありましたか?
ありがたいことに、もともとたくさんの方に応援していただけたこともあって、環境の変化を特別感じることはありませんでした。ただ、やはり注目されることに対して気が引き締まる思いはあります。四天王になってから、YouTubeでスポーツ選手の動画をよく見るんです。ワールドカップでPKを蹴る本田圭佑選手や、WBCで決勝タイムリーを打つイチロー選手の姿を見ることで、世界中の注目を一身に浴びる彼らに比べればなんてことはない、と平常心を保てるんです(笑)。
対策範囲を広げすぎないことが重要
範囲外のデッキには地力で勝てるよう練習
デッキ作りで大事にしていることを教えてください。
まずはその環境で強そうなデッキをすべてリストアップして、それぞれのデッキに対して有効な戦術を考えてメモを取ります。例えば、アルセウス&ディアルガ&パルキアGXは序盤にエネルギーをトラッシュさせられると辛いとか、ピカチュウ&ゼクロムGXはスタジアムを活用できないと辛いといった感じです。そして、その条件を満たせるようなカードがないかを探します。
まずは有利な状況を定義してから、その状況を作り出せるカードを探すわけですね。とはいえすべてのデッキに対して完璧な対策を用意するのは難しいのではないでしょうか?
そうですね。なので、強い人が使いそうなデッキに絞って対策を用意します。やはり強い人ほどデッキ選択が上手ですから、環境に適応した勝率の高いデッキを使う人が多いです。逆に環境的にあまり立ち位置が良くないデッキには対策カードを用意するのではなく、プレイスキルの差でカバーできるようにひたすら練習を重ねます。もちろん、それが必ずしもうまくいくとは限らないですけどね(笑)。
いまなお残る悔しい敗戦の記憶
同一のカードでドラマティックな勝利
これまででいちばん印象に残っている大会(試合)は何ですか?
チャンピオンズリーグ2017千葉の1日目ですね。それまでの獲得ポイント的に、勝てばポケモンワールドチャンピオンシップスのDAY1に進出、引き分けでも日本一決定戦には出られるという試合でした。その大事な試合で、僕は負けてしまったんです。それが本当に悔しくて……。最後は相手にNを使われて、ウソッキーとかるいしを引いて何もできなかったところまで鮮明に覚えています。
それは悔しい……。
この試合で僕はルガルガンGXを使っていたのですが、じつはまったく同一のルガルガンGXのカードを使って、チャンピオンズリーグ2019新潟で優勝しているんです。そういう意味では、ルガルガンGXは苦楽をともにした相棒のようなカードと言えるかもしれません。
チャンピオンズリーグ2019新潟の裏話
決勝戦で戦ったヤマグチヨシユキ選手とは、この対戦を機にいっきに仲良くなりました。それまでは軽く挨拶をする程度だったのですが、じつはこの大会の直前に、先ほどもお話しした2010年の大会での対戦相手がヤマグチ選手と知り合いだったことをたまたま知ったんです。
その後大阪の大会で再開して仲良くなった彼とヤマグチ選手がお知り合いだったと。
はい。それを知った直後に、まさか決勝戦で当たるなんて、すこし不思議な縁を感じました。対戦内容自体は、不本意にも時間切れでの勝利となってしまいましたが……。
あのときのシマダ選手は勝ったにもかかわらず、まるで負けたかの様な表情をされていましたよね。
時間切れにならないように練習してきたつもりでしたし、なによりせっかく縁のある相手との対戦だったので、もっとお互いに気持ちのいい対戦がしたかったですね。
好きなカードはトリトドン
マイナーなカードを活躍させたい!
シマダ選手の好きなカードを教えてください。
先ほどお話ししたルガルガンGXもそうですが……ほかにはポケモンカードゲームXY BREAK 拡張パック「爆熱の闘士」に収録されていたトリトドンも好きですね。そもそもゲームのポケットモンスターシリーズを始めてプレイしたのが『ポケットモンスター
ダイヤモンド・パール』だったので、そこで初めて見たときからトリトドンが好きでした。
実際にデッキに入れていたことはあるんですか?
はい。相手がワザを使ったりにげたりするために必要なエネルギーを1個増やすというワザを持っていて、性能も僕好みだったんです。一時期、このトリトドンといっしょになんとかしてジムバトルで優勝しようと躍起になっていました(笑)。
人とは違う何かを生み出したい願望があるんですね(笑)。
トリトドンに限らず、皆が使わないマイナーなカードを活躍させてみたくなることはしばしばあります。また、デッキ自体はメジャーなタイプでも、その中に1枚だけとっておきの秘密兵器が隠れていることもあるので、僕の対戦をもし見ていただける機会があれば、ぜひ楽しみにしていてもらいたいです。
シマダ選手と対戦してみたい人は
大阪のBAR UNKNOWNさんへ!
よく行くジムはどこですか?
いまは兵庫県に住んでいるのですが、大阪にあるBAR UNKNOWNさんによく行きます。最近だとジムバトルに出る際は必ずここに行っていますね。
ジムバトルにはよく参加されるのですか?
大会直前の時期でなければ、積極的に参加するようにしています。サン&ムーンシリーズからプレイ人口が爆発的に増えたこともあって、チャンピオンズリーグのような大型大会の初戦では想定外のデッキとマッチングすることがあります。そこで面食らわないように、情報収集の意味合いも兼ねて参加しています。
では、BAR UNKNOWNさんい行けば、シマダ選手と対戦できるかもしれないわけですね!
そうですね(笑)。もし対戦する機会があれば、皆さんぜひよろしくお願いします。
大会のときに必ずやっているルーティーンは?
チョコレートを必ず食べます。チョコレート以外にも本当にいろいろなものをとにかく食べますね。普通、緊張すると食べ物がのどを通らなくなる人が多いと思うのですが、僕は逆にお腹が減ってしまうんですよ。ポケモンワールドチャンピオンシップス2019でも緊張してしまって、試合に合間にピザを食べて、その後ハンバーガーも食べていました。
見ているだけでも胸焼けしそう……(笑)。ちなみに、どんなチョコレートを食べるんですか?
いつも決まってホワイトチョコレートを食べています。後はいっしょコーラも必ず飲みますね。でも、大会前の時期は逆にジュースを飲まないようにしているんです。
それはどうしてですか?
配信に映るかもしれないので、太らないように(笑)。それと、ジュースをあえて断つことで大会当日に飲むコーラがおいしく感じるので!